人類の歴史

人間は今や地球の様々な環境に社会を形成している。

本来なら行くことができない、海の底や雲の上にまで活動の範囲を広げ、現代では宇宙にまでその範囲を広げている。

現代において人間に不可能はないかのようだ。

 

集団生活

我々は動物の一種に過ぎないが、知能が高く文明を築くまでに至った。

文明社会の基礎は集団生活である。

これはグループ(村社会)の形成は、生存確率を高めることにつながる。

これは類人猿の時代から続く人類の長い歴史の中で経験的に身に付けたシステムなのだろう。

 

■集団生活の問題点

集団生活においては、それぞれがルールを守る、役目を果たすことが求められる。つまり義務を果たさなければならない。

例えば、食料の調達も、飢えない様に一定量を確保しなければならない。

これには、狩猟や農業を組織的に行わなければならず、指揮者の指示に従ったり、忍耐を求められる。

自分の欲求とその自制は、人間である限りついて回る課題であり、集団をどうまとめるかについて、人類に課せられた命題となる。

 

宗教観

■自然に対する無力感

人類は自然現象に対しては今現在でもあまりに無力であり、依存して生きている。

食料の調達だけでなく、衣服、住居の材料も自然からの借り物である。

また時には自然災害に見舞われ、それに対する無力感が自然への敬いとおそれにつながっている。

 

■神の存在

その無力感に合理性を持たせるために生まれた概念が神である。

自然の猛威に犠牲になったり、不条理な結末になることは納得できるものではない。

しかし、神の意志によるものとされれば、納得せざるを得ない。

人類は不条理に対し、神のせいにしてきた。そうでもしなければ気持ちに整理ができないからだ。

 

■宗教

世界観や行動規範をまとめ体系化されたものが宗教となる。

本来宗教とは社会生活上の知恵の集約である。

人間は様々な衝動を抱えている。集団生活にはこれの自制が求められるが、これには宗教の貢献が大きい。

例えばキリスト教に伝わる七つの大罪という戒めはわかりやすくまとめられたものである。

 

世界各地で無数の宗教が生まれ、消えていった。

現存する宗教は、優秀だったわけではなく、その教え、ルール、風習がその土地に最も適したものだったに過ぎない。

 

例えば、砂漠地方では一夫多妻制を認めている。

これは子孫を残すために必要な栄養素(亜鉛)が少ない地方において、子孫を残す確率を上げたからこそ今に伝わっているのである。

つまり宗教とは、その土地において最適化された行動様式に

神話という後付けの作り話で裏付けした、行動規範集というわけである。

 

政治

集団生活と同時に政治の歴史も始まった。

集団をどうまとめるかという課題は、現代に続く難題である。

はじめの村社会においては、信用を多く集めた者がトップに立ち、全員を統制する形であった。

しかし、社会の規模が大きくなり、文明レベルになると政治形態は複雑化した。

政治も人を統制する手段という意味において、宗教と同じ側面がある。

○○制や○○主義といったシステムは、被支配者の幸福の最大化の試みとして、今なお人類は模索中であり、正解を見いだせていない。

 

文化の発展は政治の形態にも影響を与え、極端な圧政よりも、一人一人の権利を尊重しようという民主主義が、先進国に多い傾向はある。

人類は政治の完成形を目指しているが、人間自身が未完の存在であるため、それが達成される日は来ない。誰かが必ず犠牲になる形態は続く。

 

科学と芸術

よりよい生活にしたいという思いが科学を発展させ、たくさんのことが可能にした。

100年前の夢は実現、普及し、10年前の理想が現実になっている。今日の不可能は明日には可能になっている。

 

■科学以前

人間には欲求があり、欲求が向上心を生む。

信仰のための神殿を立派にしよう、装飾をきれいにしよう、壊れない家にしよう、もっと収穫をふやしたい…

このような向上心が、住居、神殿の建築技術、農業を発展させた。

道具の改良、医学の進歩はよりよい生活の実現を目指したものだ。

ここで発展を遂げた技術の向上というものは、繰り返す作業の中で偶然発生したミスの中から効果の高かったものが選択されたに過ぎないが、その集積が技術の向上につながった。

 

■科学の発展

偶然に頼らず論理に基づいたアプローチができるようになってから、科学の発展は加速した。

これこそ科学である。前例に基づき、改良するしせいは、のちの科学的アプローチの基礎になった。

このような試みは、すでにメソポタミア文明から見つけることができる。

この論理に基づく改善の繰り返しは、今もなお続けられる手法である。

偶然に頼らない姿勢が、現在の発展を支えたのである。

 

■芸術

人間には感情があり、また感動を伝えたいという欲求がある。

なにかの造形に美を感じたり、これを模して制作したり、歌や踊りで気分が高揚したり、言葉を使って相手に気持ちを伝えたり、といった活動そのものが芸術である。

これらは気分を変化させる作用がある。

言葉にできない、または言葉にする必要のない感動をできるだけ正確に伝えようとする試みも、人類の歴史で様々な形で行われた。

科学と同様に、芸術は前例を改善または発展させる形で進化し、その表現の技術の向上や、新しい表現方法の発見のたびに、表現の幅を広げていった。

人生は、常に情報の受信と発信を行っている。

情報の発信は必ずその人の人生に裏付けされた形で表現される。つまり、生きること自体が芸術なのである。

 

まとめ

人類の歴史は、トライの連続であった。

その繰り返しの中で、経験的に最適化されていくその様は、生物の進化によく似ている。

人類の文化は進化してきたのである。

 

しかし、知能の高い人間は、前例を基礎として発展させていくという、偶然に頼らない手法を発見し、この時から文化の進化のスピードは格段に上がった。一番わかりやすい例は科学である。

人間の文化はさらに進化を続けていく。

未来の人間の文化の発展が楽しみだ。