自信とは│自信を構成する3つの要素

悲観的なものの見方をしてしまう。挑戦する前に強い不安を感じる。

こうした自分に自信を持てない悩みは、誰もが一度は経験するだろう。

 

ところが自信というものは、なんだかボンヤリしてつかみどころがない。

このため、悲観的な考え方をしたり、臆病になってしまうのは、自分に自信がないからだと考えがちである。

 

しかし自信とは、単純な気持ちの問題ではない。

自分が起こした行動と、その結果に裏付けされる自己評価によって、自信は支えられている。

自分に自信が持てず悩んでいるなら、この自信についての構造とメカニズムを理解しておこう。

 

自信がない人の特徴

自信がない人の思考や行動には特徴がある。

自信がない人は、自分への評価が低いため、それに応じた控えめな行動をとる傾向がある。

例えば、

・こんなことを言ったら否定されそうだと思い、発言を控えてしまう。

・相手にされるはずがないと思い、女性に声をかけられない。

・注目されることを避けるため、地味な服装や目につきにくい場所に身をひそめる。

このようにせっかくの素晴らしい意見や熱い思い、面白い個性を自ら封じ込めてしまう。

 

こうした消極的な姿勢では、周囲から評価されない。

何も主張しなければ、何も行動を起こさなければ、ただ黙って突っ立っているのと同じなのだ。

評価されなくて当然だ。

 

その結果、自信がない人は自ら招いたにもかかわらず、自分への評価や自分が作り出した環境に不満を抱えている。

例えば、

・自分が持っている考え方やアイデアは悪くないのに、評価されない。

・自信がなくて選んでしまった高くない難易度の仕事をこなすばかりで、上司からの評価が低い。

・見た目や性格は悪くないはずなのに、彼女がいない。

こうした不満だらけの環境に取り囲まれ、自信を無くしてしまう。

さらには、そんな自分に嫌気がさし、人生に悲観する人もいる。

 

自信がない人は、自信がないばっかりに、思考も行動も消極的になりさらに自信を無くしてしまう。

それでは、感情や思考、行動にまで影響を与える自信とは、いったいどのようなものであろうか。

 

自信とは何か

自信とは、読んで字のごとく「自分を信じる」気持ち、あるいは「自分を信用する」気持ちである。

さらに言い換えると、「自分の存在意義」や「自分の可能性への期待」となるだろう。

例えば、自信がある人は、自分の地位やポジション、役割に存在意義を疑うことがなく、自分の未来に希望的観測ができる。

一方、自信がない人は自分のポジションを確保できるかいつも不安で、自分の未来に対して悲観的なものの見方をする。

 

自信にはパターンがある

しかし自信は、個人にとって固定化されたものではなく、状況に応じてさまざまに変化する。

得意なことや好きなことに関しては、自信を持ち、楽観的に考え積極的に活動する。

一方、苦手なことや未経験なことには、自信を無くし、悲観的に考え活動は消極的になる。

また、何かに成功したり努力が認められると、ムクムクと自信が湧いてくる。

一方、何かに失敗したり精神的ショックを受けると、自信がしぼんでいく。

 

このように自信にはメカニズムとパターンがある。

つまり自分に自信を持ちたいなら、このメカニズムを理解し、自信を持つことができるパターンに持ち込めばいいわけである。

それでは、自信が持つメカニズムについて見てみよう。

 

自信を取り巻くメカニズム

自信は、行動と結果という2つによって支えられている。

我々は日々の生活の中で、行動を起こし、その結果を評価することによって自信を支えている。

その様子は下図のようにあらわすことができる。

 

それでは、このサイクルについて各要素を解説する。

 

サイクル① 自信(サイクルのスタート)

自信と自己評価は密接な関係にあり、自己評価の高さが自分に対する自信の大きさを表している。

つまり、自己評価が高い人ほど自分に自信を持っている。

この自己評価は、あらゆる評価を総合的に判断した、自分が考える自分に対する評価である。

他者からの評価だけで決まるわけではなく、必ず自分の意志が反映する主観的なものだ。

 

そして、自己評価の高さが、自信の根幹にある自分の存在意義や自分に対して希望を持つことができるかどうかを決定している。

例えば、自己評価が高ければ、以下のような考え方をしている。

・自分という存在をかけがいのないない存在だと感じることができる。

・自分は必要とされていると理解している。

・自分には能力がある。または努力で身に付けることができると確信している。

このような考え方は自分に自信がある人の考え方である。

自己評価の高さと自信が密接な関係にあることがわかるだろう。

 

自信が行動に及ぼす影響

自信は、行動を起こすための原動力である。

その人が起こすことのできる行動の難しさは、その人の自信の大きさ、つまり自己評価の高さが決める。

例えば、自信がある人は、困難に挑戦することができたり、試練に立ち向かうことができる。

しかし、自信がない人は、楽な仕事しかできないか、行動を先送りしてしまう。

このように自信は、行動とも密接な関係にある。

 

サイクル② 行動

行動を起こすことは自信を持つための第一歩である。

人が自信を持つためには成功体験が重要になるが、これは行動を起こさなければ得られないものだからである。

現実には行動を起こす前に失敗への不安に押しつぶされ、一歩踏み出せないこともあるが、自信を持つためには、どうしても一歩踏み出す必要がある。

 

もちろん行動の結果、失敗に終わることもありうる。

その場合は自信を無くす可能性があるわけだが、いずれにせよ自信を持つためには通らねばならないプロセスである。

 

自信がある人とない人の差

自信がある人と自信がない人の違いは、この行動に差が表れる。

自信がある人は、自信に後押しされてどんどん行動に移していく。

そして知識や経験を積んでいく。さらに自信を高めていく。

それに対し、自信がない人は、やり切ることができず失敗に終わったり、行動を先送りする。

失敗体験や、先送りした自分を反省し、さらに自信を失っていく。

 

こうして行動を起こすことによる成功体験や知識と経験の蓄積が、自信がある人と自信がない人の差を広げていくのである。

 

サイクル③ 結果

行動を起こすことによって、何らかの結果を得ることができる。

そしてこの結果の評価次第で自信を高めたり、低めたりする。

例えば、目標を達成したり、合格点を獲得したりして成功体験を得ることができると自己評価を高めることが出来、自信につながる。

逆に、目標を達成することができなかったり、不合格に終わると、自己評価が下がることになり、自信を失う。

 

成功と失敗を分けるもの

注意しなければならないのは、成功や失敗、合格や不合格といった評価は絶対的ではないということである。

つまり、失敗や不合格という悪い結果をそのまま自分の評価につなげてはいけない。

 

結果の受け止め方は、自由である。

成功や失敗、引き分けという定義付けは、着目点や見方によって解釈が変わる。

つまり得られた結果が良かったものか、悪かったものかという判断は、自分の自由で構わない。

これは、得られた結果がどのようなものであったにせよ、自己評価を高めるものであるか、低くするものであるかは、自分の解釈次第ということである。

 

自信がある人と自信がない人の考え方の違い

この解釈の仕方にも自信がある人と自信がない人に明確な差がある。

自信がある人は自信を持てるような解釈をしており、自信がない人は自信を持てない解釈をしているのだ。

例えば、自信がある人は、成功や合格という結果に注目し、失敗や不合格は気にしない。

逆に、自信がない人は、失敗や不合格に注目し、成功や合格という結果は気にしない。

 

結果の解釈が自信に直結していることを考えると、この考え方の違いが自信を持てるようにするのか、あるいは自信を無くすようにするのかを分けているのである。

つまり簡単に言えば、自分に自信を持つためには、どんな結果でもポジティブに曲解する習慣を身に付ければ、それだけで自信が持てるようになるのである。

 

サイクル④ 自信(スタートに戻る)

勇気を出して行動した結果の解釈が、自己評価につながる。

結果の解釈を良いものにすることができれば自信につながるし、悪ければ自信を無くすことになる。

こうして自信のサイクルが一周する。

次に起こす行動はここでの自信が原動力になるわけである。

 

自信のメカニズムの特徴

「自信」と「筋肉」は非常によく似ているので、自信を筋肉に置き換えて考えてみると、自信のメカニズムは理解しやすくなる。

自信の育て方

筋肉は運動によって、筋繊維が破壊され、その回復によって以前の筋肉より太くなる。

この繰り返しが大きな筋肉を生み出すのだが、急に大きな筋肉が付くわけではなく、少しずつ着実に増えていくものである。

 

自信も同じである。

自分に自信を持ちたいなら、どんどん行動を起こし、成功体験を積むことで自信を少しずつ育てていく必要がある。

早く大きな自信を身に付けようと無茶な行動を起こそうとしても、失敗に終わる可能性が高い。

そしてこの失敗体験がさらに自信を失わせることになってしまう。

 

自信は急には身につかない。

勇気が出る名言に触れたり、自己啓発書を読むなどして気分が高揚しても、一時的かつ表面的なものにすぎず、長期的に見て有効ではない。

自分に自信を持つためには、今の自分にちょっと辛いくらいのレベルの行動に挑戦し、成功体験を積むことでこれまでより自己評価を上げ、自信を育てていくという考え方が大切である。

 

自信と行動の関係

筋肉は、その大きさによって発揮できる能力は異なる。

例えば、筋肉は大きければ、早く走ることができたり、高く飛ぶことができたり、重いものを持ち上げることができる。

一方、筋肉が貧弱であれば、早く走ることも高く飛ぶことも重いものを持ち上げることもできない。

 

この関係は自信も同じである。

自分に対する自信が大きいものであるほど、大きな試練や困難に挑戦することができる。

一方、自信が弱いものであれば、起こすことのできる行動は、同じレベルのお粗末なものである。

例えば自分に能力があると信じている人はどんどん、周囲に認められる結果を残し、出世する。

しかし、自分に自信がなく卑屈になっている人はパフォーマンスも低く、評価も低い。

 

このようにその人が起こすことができる行動は、その人の自信によってレベルが違う。

これは自分に対する自信の大きさに応じて行動を選んでいるからである。

 

行動と結果の関係

自分が持つ自信のレベルによってその人が取れる行動が決まるが、これと同様に、行動のレベルによって結果のレベルが決まる。

いくらきれいに机の掃除をしても仕事の評価は上がらないし、

英語の教科書をパラパラめくっただけで英会話は上達しない。

 

こうして、自信と行動と結果の大きさは同程度にバランスが取れている。

これが前述した自信が急に身につかない理由でもある。

 

自信の衰えと維持

筋肉は、使わなければ細くなっていく。

これを防ぐためには定期的に運動しなければならない。

 

自信も、鍛えていなければ、時間の経過とともに衰えていく。

しかし、実は我々は無自覚に日々の生活の中で様々な挑戦をしており、その結果を受けて自信を維持することができている。

そこで、行動することや挑戦することを止めてしまうと、結果は生まれず、自己評価を維持することができない。

つまり少しずつ自信が失われていく。

 

こうした事態を放置したままでいると、自信はどんどん衰弱していき、起こすことのできる行動も簡単なものばかりで、得られる結果も大きくはない。

そして、そんな自分にさらに自信を無くす、という負のスパイラルに落ち込んでいく。

 

こうした事態を防ぐためには、行動を起こすこと、挑戦し続けることが重要である。

かのアントニオ猪木氏もこう言っている。

「人は歩みを止めたときに、そして挑戦をあきらめたときに年老いていくのだと思います。」

さすが猪木氏、人間の本質を突いている。