自分に自信を持てない人は、いつまでも自信を持てないことに悩んでいる。
彼らはいつも自己評価が低く、考えることはネガティブで、身体は緊張でガチガチ。
そんな自分に嫌気がさし、仕事に恋愛に、あるいは人生に悲観していたりする。
しかし、ここに勘違いがある。
自信が持てないからすべてがうまくいかないのではない。
どんなに努力をしても、どんなに良い結果を収めることができても、自分の努力の成果を一切認めることができないからである。
自分に自信を持てない人の苦しみの本質は、どんなに頑張っても努力が報われないからである。
自分に自信を持つためにはまず、自分の厳しすぎる考え方に気付かなければならない。
自信に満ちた明るい未来はそこから始まるのである。
目次
自信がない人が陥る負のスパイラルとは
自分に自信がない人は、いつまでも自信を持つことができない。
それは、自信を持つことができない負のスパイラルにすっかり落ち込んでしまっているからである。
この負のスパイラルに落ち込んでしまうと、抜け出すことは容易ではない。
どんなに努力してもどんどん自信を持てなくなってしまう。
それはまるで、もがけばもがくほど深みにはまっていく沼のようなものだ。
自信のサイクル構造をおさらい
負のスパイラルの説明の前に一度、自信のサイクル構造についておさらいしておこう。
自信は、行動と結果の2つの要素に支えられたサイクル構造になっている。
簡単に説明すると、自信は、以下のような流れで支えられている。
①自信があるから勇気を振り絞り、行動を起こすことができる。
②行動には結果が伴う。
③結果が成功であれば自己評価が高まり、自分に自信を持つことができる。
自信がなくなる負のスパイラルとは
自信がある人も自信がない人もこのサイクル構造は変わらないが、いつも自分に自信がない人のサイクルは以下の特徴がある。
・自信がない人の特徴① 自己評価が低い
自信がない人はこれまでの人生経験により、自己評価が低くなっている。
こうした自己評価が低い人は、自分の可能性を信じることができない。
このため、挑戦することを諦めたり、勇気を出して挑戦しても「どうせできない」と考えながら行動するため、実力を発揮しきれず良い結果につながらない。
良い結果が得られなければ、自己評価を下げることになり、自分に自信を無くす。
こうしてもともと低かった自己評価をさらに下げる結果になり、この繰り返しによりどんどん自分に自信を無くしていく。
・自信がない人の特徴② 簡単なものにしか着手しない
自分に自信がない人は、未経験なもの、難しいものに挑戦できない。
このため起こすことができる行動は、自分にとって簡単なものにしか着手できない。
しかし自分にとって簡単なものばかりでは、そこから得られる結果は、自分の自己評価を高めることができるほど、誇れるものではない。
自信とは自分にとって初の挑戦であったり、今までの自分にはできなかったことを乗り越えることで一回り大きくなれるものだが、こうした挑戦を避けていてばかりでは、自分に自信がつくことは無い。
こうしていつまでも自分に自信を持つことができない。
・自信がない人の特徴③ 成果の解釈が悲観的すぎる
いつも自分に自信がない人は、自分の努力の結果を正当に評価することができない。
つまり、成功を成功と認めることができなかったり、周囲からの労いや称賛の言葉を拒絶する。
こうした姿勢は一見謙虚なのだが、いつもいつもこのような姿勢でいると、自分にとっての成功体験をいつまでも得ることができず、やはり自信を持つことができない。
こうした彼らの悲観的過ぎる考え方に特徴がある。
それでは、詳しく見てみよう。
自信を持てなくさせる4つの思考パターン
誰でも一時的に自分に自信を無くすことはあるものだ。
生きていれば、いろいろな失敗やショックな出来事に直面する。
そういう場合は一時的にものの見方が悲観的になることも仕方あるまい。
しかし、いつもいつも悲観的なものの考え方しかできないなら、その考え方が極端に偏ったものであるという自覚を持とう。
自分に自信を持つためにも、社会を生きる上でまっすぐ向き合うためにも、こうした偏った考え方を改めるべきである。
いつも自信がない人の悲観的な考え方には大きく分けて4つのパターンがある。
それでは、この思考パターンがいかに偏ったもので、自分の自信を持つ障害になるか見てみよう。
自分に自信を持てない思考パターン①成果の全面否定
いつも自信がない人は、自分の努力の成果を受け入れられない傾向がある。
自分がどんなに努力しても、その姿勢を認めることができないのだ。
つまり、努力した結果、成功を収めることができたり、あるいは合格点に達することができたとしても、どうしてもその結果に満足しようとしない。
たとえ、周囲の人から努力の成果や、努力する姿勢そのものをほめられたり、ねぎらう言葉をかけてもらっても、全力で振り払ってしまうのだ。
どんな結果にも満足せず常に向上心を持ち続けることは大切だ。
しかし、それが度を越していてすべての肯定的な要素を全く受け入れられないのなら、それは非常に偏った考え方である。
このように自分の努力の成果を一切認めることができないなら、自己評価を上げることができず、自信を持つことはできない。
自分に自信を持てない思考パターン②極端な自己否定
いつも自信がない人は、極端に自己評価が低い。
彼らは「自分には能力がない」「努力しても身につかない」「自分には魅力がない」と固く信じている。
そして自分の努力の結果が良くなかったことや評価が高くなかったことを自分への評価に直結し、自己評価を下げる。
そして、「いつも失敗ばかりだ」「俺には能力がない」「ダメな人間だ」「俺には魅力がない」などと元々あった低すぎる自己評価をさらに強固にしていく。
謙虚な姿勢は処世術として認められるところではあるが、どんな結果にも粗探しをして、やっぱり自分はダメな人間だと思いこもうとする考え方は、やはり健全ではない。
こうしてどんな結果も粗探しをしてやっぱり自分はダメな人間だと思い込んでいては、いつまでたっても自信を持つことはできない。
自分に自信を持てない思考パターン③完璧への強迫観念
いつも自信がない人は、完璧を目指しすぎるあまり、体力と精神力を消耗し、いつも疲れている。
こうした完璧主義者は、何かに取りかかるとき完璧を目指して努力をする。
いや、完璧を目指すというより、強迫観念に駆られているという方が表現として正確だ。
彼らは課題に取りかかるとき、とにかく誰にも文句を言わせないほどの完成度を目指す。
その壮絶な戦いの結果、完璧ではなかった結果に非常に落胆し、完璧を実現できなかった自分に自信を無くす。
しかし、事実上、完璧なものなど存在しない。
だが、それをいつも目指し、完璧を実現できずに落ち込んでいるようでは、いつまでたっても自信が身につかないだろう。
自分に自信を持てない思考パターン④不安の拡大解釈
いつも自信がない人は、いつも不安に襲われている。
「これをしたら○○になるかも」「あれをしたら○○になるかも」と未来に対しての不安をぬぐえない。
こうして何に対しても不安にかられていると、これから行動を起こそうとするときも「失敗するかもしれない」「失敗して怒られるかもしれない」「損失を出すかもしれない」と行動の先にあるものに恐怖を感じる。
そして、足がすくんでしまい、行動を起こすことができない。
自信は、行動を起こさなければ持つことができない構造になっているので、いつも不安にかられて行動を起こすことができないのであれば、いつまでたっても自信を持つ日は来ない。
「結果」の解釈の重要性
自信は行動を起こさなければ持つことができない。
しかし行動の結果が良いものとして解釈できなければ、これもまた自信を持つことができない。
上記のように、いつも自信がない人は、自分の努力をかたくなに認めない。
彼らの頭の中には自虐的な思考回路が完成していて、どうしてもダメな自分にゴールしてしまう。
逆に自信を持っている人はどうかと言えば、自分の持っているスキルが良い結果をもたらすと信じている。
また、努力の結果失敗に終わっても、挑戦したことや失敗から得たものに注目し、満足しようとする。
つまり、自信がない人と自信がある人を分ける大きな違いは、自分の努力の成果に対する解釈の違いである。
自信なんてものは、簡単に言ってしまえば、結果に満足できれば自信を持つことができるし、結果に不満足であれば自信を無くす。これだけの事なのだ。
自分の努力の成果についての解釈は、自信を持つか無くすかの重要な分岐点なのである。
もし、いつも自分に自信がなくて悩んでいるのなら、これまでの自分の実績や、これから挑戦することになる行動の結果に対し、満足できるような解釈をする努力が必要だ。
いつも自分を下げることで納得している人にとって、この思考の習慣を変えることは難しい。
しかし、自分に自信を持ち、生き生きとした人生にしたいのなら、ここが頑張りどころである。